検査データを考える
心室性期外収縮
鈴木 典夫
1,2
,
高橋 まり子
3
,
結城 ゆかり
3
1守病院
2東北大学医療技術短期大学部
3宮城県医師会臨床検査センター
pp.161-167
発行日 1992年2月1日
Published Date 1992/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900956
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概念
心室性期外収縮(ventricular extrasystole)は心室性早期収縮(ventricular premature beat,vent. prem. systole,vent. prem. contraction,略してVPCまたはPVC)とも称される.これは心拍(beat)すなわち心臓の収縮(systole,contraction)が基本調律よりも早期(premature)に,正常調律とは起源を異にして心室から発生して(心室性ventricular)起こる不整脈である.
これは不整脈の中でも頻度が高く,洞性頻脈,洞性徐脈,洞性不整脈に次いで日常しばしばみられる.臨床的意義は症例ごとに異なり,ほとんど無視してよい例も少なくないが,他方,心室頻拍(vent. tachycardia)や心室細動(vent. fibrillation)のような重篤な不整脈に移行しやすく,警告的不整脈(warning arrhythmia)として緊急治療を必要とする例もあるので,臨床的重要性を症例ごとに判断しなければならない.
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