Japanese
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特集 脳のシンポジウム
主題:視床下部をめぐつて
視床下部と性機能
Hypothalamic Control of Reproductive Function
小林 隆
1
,
木川 源則
Takashi Kobayashi
1
,
Tomonori Kigawa
1東京大学医学部産婦人科教室
1Department of Obstetrics & Gynecology, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.98-105
発行日 1966年3月25日
Published Date 1966/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904268
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性機能の本質は生命をreproduceすることであり,雌性では卵巣がそのmortorとなつていることはいうまでもない。卵巣では下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピンの支配下に卵胞の発育,排卵,黄体の形成およびこれらに呼応する性ステロイド分泌という形態と機能が見事に相関した現象が営まれている。このdynamicな現象が一定のrhythmをもつて営まれるのは中樞神経系とくに視床下部がこの卵巣の微妙な機能変化を正確に把握し——性ステロイドのfeedback——,その内容を前葉に伝達し——神経体液性調節——ゴナドトロピン分泌を調節することによることが近年明らかとなつてきた。さらに前葉からは黄体の維持ないしは乳汁分泌というreproductionにessentialな機能に関与するプロラクチンも分泌されているが,この分泌もまた視床下部の調節支配をうけていることが明らかにされた。したがつて視床下部を場として行なわれる性機能の中樞性調節は内容的に非常に豊富であり,興味ある多くの研究課題を含んでいる。ここではそのうち視床下部と下垂体前葉の連絡の形態,視床下部によるゴナドトロピン(以下G)分泌およびプロラクチン(以下P)分泌の調節の3つの問題について簡単に記述する。
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