Japanese
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特集 脳のシンポジウム
主題:視床下部をめぐつて
視床下部の線維連絡
Fiber Connections of the Hypothalamus
伴 忠康
1
Tadayasu Ban
1
1大阪大学医学部解剖学教室
1Department of Anatomy, Osaka University, Medical School
pp.77-83
発行日 1966年3月25日
Published Date 1966/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904266
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I.視床下部の区分
視床下部を前後に区分することが妥当であるという人の仕事を見ると,ある時代の欧米の報告に固着しているかのように思われる。私は主として家兎の実験を中心にまとめたことであるが,生理学的所見からも,また,細胞構築や線維連絡のあり方から老えても,視床下部は第三脳室から外に向つて縦に区分する方が妥当であると考えている。これは哺乳類であれば人間を含めて原則的には共通したことがらである。黒津一門は永年この問題を検討した結果,第3脳室上衣に接した部分をa副交感帯,そこから脳弓までの間をb交感帯,脳弓から外側をc副交感帯と名づけた。これは,1929年にGrtünthalが第3脳室上衣から外方に向つて細胞構築学的研究からa,b,cの3細胞区に視床下部を区分した報告にほぼ一致している。そこで黒津一門はそのa,b,cを強調したのである(第1図参照)。
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