マスターしよう検査技術
異常ヘモグロビンの検索法
原野 恵子
1
,
原野 昭雄
1
,
櫛田 由美
2
,
上田 智
2
1川崎医科大学生化学教室
2川崎医科大学検査診断学教室
pp.1203-1208
発行日 1990年8月1日
Published Date 1990/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900349
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はじめに
糖尿病の血糖値コントロールの指標としてのグリコヘモグロビン(HbAIC)測定がHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で行われるようになって,クロマトグラムのパターン異常の原因として,異常ヘモグロビン(異常Hb)が存在する例がしばしば見いだされるようになった.従来,異常Hbの検出には各種の電気泳動法(寒天,デンプン,セルロースアセテート膜など)が用いられてきたが,最近はもっぱら等電点電気泳動が主役の座を占めている.ごくわずかの等電点の違いをも明らかにするこの泳動法は,分析しようとする蛋白質自身が赤い(染色の必要がない)というHbの特徴を最大限に利用できる大変有効な方法である.異常Hbの分析は,ほとんどの検査室でなじみがないと思われるので,本稿では「異常Hbの検出法」について説明し,「異常Hbのアミノ酸置換検索法」の概略を示して,Hb分析のアウトラインを紹介する.
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