最近の検査技術
ヘモグロビンAIの測定
原野 恵子
1
,
中島 行正
2
,
堀野 正治
3
,
原野 昭雄
1
,
岡村 一博
4
,
上田 智
5
1川崎医科大学生化学
2川崎医科大学公衆衛生学
3川崎医科大学内科学
4八尾徳洲会病院中央検査部
5川崎医科大学検査診断学
pp.509-513
発行日 1980年6月1日
Published Date 1980/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202079
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正常成人のヘモグロビン(Hb)を構成するグロビンには,α鎖,β鎖,γ鎖,δ鎖があり,それぞれアミノ酸組成が異なっている.主成分であるHbAはα2β2から成っており,微量成分であるHbA2はα2δ2,HbFはα2γ2から成っている.HbA2の含量は総Hbの1.8〜3.2%,HbFは1%以下である.そのほかに陽イオン交換樹脂で,HbAよりも早く溶出されるHbAIa,HbAIb,HbAIc(総称としてHbAI)が存在することが知られている1).近年,糖尿病患者においてHbAIc分画が増加することが明らかになり2),HbAIcの簡便な定量法が必要となった.しかし,微量分画であるHbAIa,HbAIbも同時に増加することが示されたので,これらをまとめたHbAIの定量ができればよいと考えられ,原法のカラム法を小さくした各種ミクロカラム法3,4)が開発されミクロカラムを応用したHbAI測定キットが市販されるようになった.
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