臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第2集
VI.血液検査
55.異常ヘモグロビン
宮地 隆興
1
1山口大中検
pp.1760-1761
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216159
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異常値を示す疾患
ヘモグロビンは,HbA(主要ヘモグロビンでα2β2),HbF(胎児ヘモグロビンでα2γ2)およびHbA2(生後産生されるヘモグロビンでα2δ2)に分けられる.
ヘモグロビンのグロビンを構成するポリペプチド鎖の産生は他の蛋白の合成と同様に遺伝的に支配されている.それゆえ,遺伝の過程で異常が生ずると(突然変異など)1個以上のアミノ酸の置換,欠如および増加がポリペプチド鎖のアミノ酸配列に起こり,正常とは異なったアミノ酸の配列をもったヘモグロビンが産生される.これを異常ヘモグロビンという,また非α鎖のβ鎖とδ鎖が融合してできるヘモグロビン・レポア(Hb Lepore)も異常ヘモグロビンである.
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