増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
1章 こんなときどうする? 免疫染色の“困った”を解決
困った① 検体組織だけが染色されない
その他の問題
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学医学部病理学教室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.927-929
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207311
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染色中スライドが傾いていた
■原理・原因
スライドガラスの傾きにより,抗体液が傾くことで切片周辺に存在する抗体量に差異が生じる.存在する抗体量が少なければ,抗原抗体反応に使用できる抗体量も少なくなる.そのためスライドガラス上の検体組織とコントロール切片の各周辺で存在する抗体量に差異が生じれば,両者の染色性にも差異が生じることとなる.
図1のようにコントロール切片側に液滴(含有抗体量)が集まり,検体組織周辺の液滴が減少した場合は,コントロール切片の染色性は良好だが,検体組織は染色性が減弱し偽陰性化する可能性も考えられる.
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