増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
1章 こんなときどうする? 免疫染色の“困った”を解決
困った② 陽性対照組織も検体組織も染色されない
洗浄に問題がある
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学医学部病理学教室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.944-945
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207317
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洗浄時間が長すぎる
■原理・原因
適切な洗浄を行うことで余分な一次抗体や試薬を除去することができるため,非特異的な結合が防止できる.抗原と抗体の種類によって異なるが,抗原と抗体は解離する性質をもち,抗原抗体反応は可逆的反応といえる.そのため,過度な洗浄は抗原と結合している抗体までも洗い流してしまうことがある(図1).その結果,抗原と結合している抗体が減り,その後の二次抗体の結合や発色も減弱してしまう(図2).
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