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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
4章 骨髄異形成症候群(MDS)
5 芽球の増加を伴う不応性貧血(RAEB)
Refractory anemia with excess blasts(RAEB)
常名 政弘
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.950-953
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206172
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芽球の増加を伴う不応性貧血(refractory anemia with excess blasts:RAEB)は,末梢血や骨髄で芽球の増加を認め,かつ血球減少や血球の異形成も認める病型である.芽球比率は末梢血液で2〜19%,骨髄で5〜19%である.予後が異なることから,末梢血・骨髄の芽球比率などにより,RAEB-1とRAEB-2に分けられている.RAEB-1は末梢血で芽球が2〜4%または骨髄で5〜9%,RAEB-2は末梢血で芽球が5〜19%または骨髄で10〜19%のものを指す.芽球にAuer小体を認める場合は,芽球の割合にかかわらずRAEB-2とする1).
50歳以上に多く,MDS(myelodysplastic syndrome)患者の約40%を占める.ほとんどの患者で貧血,好中球減少,血小板減少などの骨髄不全に関連した症状を示す.血球減少は進行性である.RAEB-1の約25%,RAEB-2の約33%がAML(acute myeloid leukemia)へと進展し,予後不良である2).
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