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今月の主題 鉄代謝のバイオマーカー
話題
鉄剤不応性鉄欠乏性貧血
Iron-refractory iron deficiency anemia
佐藤 勉
1
,
小野 薫
1
,
加藤 淳二
1
Tsutomu SATO
1
,
Kaoru ONO
1
,
Junji KATO
1
1札幌医科大学医学部内科学第4講座
キーワード:
鉄剤不応性鉄欠乏性貧血
,
TMPRSS6
,
hepcidin
Keyword:
鉄剤不応性鉄欠乏性貧血
,
TMPRSS6
,
hepcidin
pp.1110-1113
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103163
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1.はじめに
鉄欠乏は一般に慢性的な失血や鉄を含有する食品の摂食不良によってもたらされるが,稀に腸管粘膜からの吸収不良が原因となる.そして後者の場合,鉄剤の内服で鉄欠乏は改善されない.このようなタイプの貧血は,鉄剤不応性鉄欠乏性貧血(iron-refractory iron deficiency anemia;IRIDA)と呼ばれる常染色体劣性遺伝の疾患である.その特徴は,①遺伝性の小球性低色素性貧血,②平均赤血球容積(mean corpuscular volume;MCV)低値,③血清鉄およびトランスフェリン飽和度低値,④フェリチンは正常または正常下限,⑤経口鉄剤に不応,⑥hepcidin高値,などである1,2).
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