増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅶ 血液疾患治療薬
貧血
173.不応性貧血の薬物治療
吉田 弥太郎
1
1京都大学医学部・第1内科
pp.2182-2183
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221293
- 有料閲覧
- 文献概要
不応性貧血とは
無効造血と骨髄異形成を伴う不応性血球減少を呈する病態で,その本態は多能性造血幹細胞のレベルでの異常と理解される.不応性貧血は一般に慢性に経過するが,高率に急性白血病に進展しやすい前白血病状態でもある.血球減少は多くの場合,貧血のみならず顆粒球や血小板の減少なども存在し(汎血球減少やbicytopenia),かつそれらの血球の機能低下もみられるため,白血病を発症しなくとも,それ自体が往々にして骨髄不全死をもたらす予後不良の造血障害である.
不応性貧血のこのような概念は骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)と重複するが,ここでは原発性不応性貧血(refractory anemia;RA),原発性鉄芽球性貧血(RA with ringed-sideroblast;RARS),芽球増加を伴う不応性貧血(RA with excess of blasts;RAEB)とRAEB intransformation(RAEB-t)の治療につき述べる.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.