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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
4章 骨髄異形成症候群(MDS)
4 多血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(RCMD)
Refractory cytopenia with multilineage dysplasia(RCMD)
常名 政弘
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.944-949
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206171
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多血球系統の異形成を伴う不応性血球減少症(refractory cytopenia with multilineage dysplasia:RCMD)は,WHO(World Health Organization)分類第4版では,1血球系統以上の血球減少,2血球系統以上に異形成を有するが,芽球比率は末梢血液で1%未満,骨髄で5%未満のものと定義されている.Auer小体は認めず,単球は末梢血液で1×109/L未満である1).血球減少の基準は,好中球数1.8×109/L未満,Hb 10g/dL未満,血小板数100×109/L未満と定義されている1,7).環状鉄芽球(ring sideroblast:RS)を15%以上認める場合,WHO第3版ではRCMD-RSに分類されていたが,RCMDとRCMD-RSの間で予後に差がないことから,第4版では両者を区別せずにRCMDとして分類している.
高齢者に多く,MDS(myelodysplastic syndrome)の30〜40%を占める.臨床経過はさまざまである.RCMDの患者は2年間で約10%がAML(acute myeloid leukemia)に進展する.全生存期間中央値は,52カ月(日本),約30カ月(ドイツ)と報告されている2).
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