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増刊号 血液形態アトラス
Ⅰ部 造血器悪性腫瘍
1章 急性白血病
21 混合表現型急性白血病(MPAL)
Mixed phenotype acute leukemia(MPAL)
西川 真子
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.908-911
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206159
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混合表現型急性白血病(mixed phenotype acute leukemia:MPAL)は,2系統以上の分化傾向を示す急性白血病であり,WHO分類第4版では分化系統不明瞭な急性白血病acute leukemia of ambiguous lineageに含まれる.急性白血病の2〜5%を占めるまれな疾患である.他のカテゴリーに分類される特徴的な染色体・遺伝子異常や二次性の白血病などはMPALからは除外される.以前は,2系統の芽球が混在する場合をbilineage leukemia,芽球が2系統の表面形質を併せ持つ場合をbiphenotypic leukemiaと呼んでいたが,両者を合わせてMPALと分類される.
MPALは5つのカテゴリーに分類される(→表1).B/myeloid,T/myeloidの形質を有する症例が多い.臨床症状は他の急性白血病と同様で,息切れや動悸などの貧血症状,発熱,倦怠感,出血症状などがみられる.疾患特異的な症状はない.5年生存率は37%と予後不良である.遺伝子変異のない症例,小児症例の予後は比較的良好である.治療に明確な指針はないが,急性白血病のサブタイプに準じた治療を行う.
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