今月の主題 今日の血液形態学
白血病細胞の形態学
8;21転座型急性骨髄性白血病
鎌田 七男
1
,
岡田 浩佑
2
Nanao KAMATA
1
,
Hirosuke OKADA
2
1広島大学原爆放射能医学研究所・内科
2広島大学医学部付属病院・輸血部
pp.1203-1205
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216629
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はじめに
急性骨髄性白血病症例の中には,①白血病細胞に成熟傾向がありHiatus Leukaemicusはみられない(FAB分類のM2),②好中球アルカリフォスファターゼ(好中球AP)のスコアが低値を示す,③染色体分析で8番染色体長腕の一部が21番染色体長腕に転座している核型をもつ,というこの3つの特徴を同時に示す病型があり,非リンパ球性白血病(ANLL)の約12%,急性骨髄性白血病の約16%にみられている.このような症例は,急性骨髄性白血病の中でも,その病態,診断,治療などでユニークな存在となっている.ここでは,この型の白血病の診断を中心にその要点を記したい.
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