連載 重複表現型の白血病細胞・1【新連載】
MPO陽性のアウエル小体を持つ赤白血病細胞
榎本 康弘
1
1慶應義塾大学医学部病理学
pp.702-703
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901134
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シリーズのはじめに
最近の診断技術の向上で,これまでは一定の系統のみが白血病化すると考えられていたが,複数の系統にまたがる混合型の白血病の症例が予想以上に多いことが明らかとなってきた.急性混合型白血病(hybrid acute leukemia;HALの定義1,2)ではリンパ系と骨髄系の両細胞が白血病化した急性白血病をinterlineage型,骨髄系の中で複数め系統が白血病化した場合はintralineage型(狭義の混合型)に分類されている.さらにこれを,白血病細胞がリンパ系と骨髄系の両方から成る場合はbilineal型・単一な白血病細胞がリンパ系と骨髄系の両方の性質を持つ場合はbiphenotypic型の亜型に分けられている.なお,HALの用語はinterlineageのものにのみ使用するのが妥当といわれている1).
混合型白血病は形態学的に診断できることは少なく,表面マーカー検索や遺伝子解析などにより見つかることが多い.マーカー検索でtwo colourのフローサイメトリーによる分析法を用いれば全体の流れはつかめるが,芽球が少なく,表面マーカー検索で多系統の細胞が混在する症例などでは電予顕微鏡による検索が威力を発揮する.
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