病気のはなし
特発性心筋症
河合 祥雄
1
,
岡田 了三
2
1順天堂大学医学部循環器内科
2順天堂大学循環器内科
pp.600-609
発行日 1981年8月1日
Published Date 1981/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205351
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特発性心筋症は原因不明の心筋の病気であり,肥大型とうっ血型に大別される.日常診療上,胸部X線写真で心陰髪影が大きく,心不全症状を呈しやすいのがうっ血型で,心陰影はさほど大きくなく,心電図や心エコー図法で心筋の肥厚が示唆されるのが肥大型と診断されている.しかし,個々の症例について具体的に検討しようとすると定型例はともかく,非定型例の多いことにまず驚かされる.その原因は,特発性心筋症が既知の病因の除外診断のうえに成り立つことによっており,種種な病態を示す寄せ集めの疾患のためであると考えられる.
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