技術講座 血液
フォン・ウィルブランド因子の測定法2—フォン・ウィルブランド因子抗原の測定
高瀬 俊夫
1
1奈良県立医科大学新生児病室
pp.1283-1287
発行日 1987年11月1日
Published Date 1987/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204319
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フォン・ウィルブランド因子(vWF)は血管内皮や血小板で分子量270kDaのサブユニットとして合成され,血漿中では分子量0.5×103〜20×103kDaに至るマルチマー(multimer)シリーズを形成する巨大糖蛋白である1,2).vWFは出血の際に血小板の粘着に関与し,常染色体遺伝性出血性疾患であるフォン・ウィルブランド病(vWD)では量的ないし質的に異常を呈する.
vWFの測定は,生物学的活性測定として抗生剤の一種でありリストセチンの存在下で洗浄血小板の凝集能(RCof)3)で見る方法と,免疫学的測定として異種抗体を用いて量的ないし質的に測定(vWF:Ag)の方法とがある.前者については前号で述べたので,今回は後者のうち①vWF:Ag測定として免疫電気泳動法(EIA)4)および酵素抗体法(ELISA)5,6),②質的異常を検索する目的で二次元交叉免疫電気泳動法(CIE)7),③vWFマルチマー構造を解析する目的でSDSアガロース電気泳動法8,9)について述べる.
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