技術講座 血液
フォン・ウィルブランド因子の測定法・1—リストセチン・コファクター測定法
高瀬 俊夫
1
1奈良県立医科大学新生児病室
pp.1193-1196
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204291
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フォン・ウィルブランド因子とは
フォン・ウィルブランド(von Willebrand)因子(vWF)は,フォン・ウィルブランド病(vWD)で異常が認められる分子量270×103の糖蛋白質であるが,血漿中では高分子(分子量0.5×106〜20×106)のマルチマー(multimer)構造となり,凝固第Ⅷ因子と複合体(FⅧ/vWF)を形成している.vWFは常染色体遺伝子(12p12→12pter)の支配を受け,血管内皮細胞,骨髄巨核球および血小板から産生され,出血時には損傷血管の内皮下組織への血小板粘着(一次止血機構)に必須で,血小板膜糖蛋白質(GPlb)に結合する1,2).vWFは生物学的活性として,抗生物質の一種であるリストセチン存在下で血小板を凝集させるリストセチン・コファクター(ristocetin cofactor;RCof),異種抗体を用いたロケット免疫電気泳動法(EIA,Laurell法),酵素抗体法(ELISA),IRMAによる免疫学的な測定をフォン・ウィルブランド因子抗原(vWF:Ag)およびSDSアガロース電気泳動によるマルチマー分析などで表現される.
本号ではRCof測定について,次号ではvWF:Agおよびアルチマー分析についてその方法を述べる.
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