技術講座 血清
先天性補体異常症の見つけ方
稲井 眞弥
1
1大阪医科大学病態検査学
pp.434-438
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203340
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補体は動物の新鮮血清中に存在する20種類近い蛋白質によって構成されている反応系で,抗原抗体複合体や細菌の細胞壁など多くの物質により,古典経路(classical pathway)または第二経路(alternative pathway)を経て活性化され,細胞溶解など種々の生物活性を現わしてくる.これら蛋白質は次の3種類に大別される.
1)従来から補体成分と呼ばれる11種類の蛋白質
2)第二経路の反応にあずかる蛋白質
3)補体系の活性化反応を制御する蛋白質
補体を構成する蛋白質の先天的な欠損や機能不全を,先天性補体異常症または原発性補体異常症という.このような異常症は欠損または機能不全を認める蛋白の名称を前につけてC4欠損症,C3bインアクチベーター(C3blNAI因子)欠損症,C5機能不全症などと呼ぶ.
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