検査データを考える
補体の異常
大井 洋之
1
,
山田 明
1
1日本大学医学部第二内科
pp.365-368
発行日 1991年4月1日
Published Date 1991/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900578
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はじめに
補体系は,免疫学的機序が関与するさまざまな疾患の発症や進展にかかわりを持っている.補体の値を活性や蛋白濃度として測定することは,その時点における生体の免疫反応をはじめ疾患の活動性を知りうることになり,臨床上,有意義なものである.
補体の活性化経路には二つの経路がある(図1).補体の検査としては,全体の補体活性を表しているCH50,二つの経路の分岐点になるC3,および第一経路(classical pathway)の指標になるC4の3項目の測定が主として行われている.CH50の測定には試験管法1)のほかに,マイクロプレートを用いたマイクロタイター法,EA含有寒天平板法などがある.C3,C4の蛋白量の定量には,一元免疫拡散法(SRID)2)やロケット法が用いられるのが普通である.最近ではレーザーネフェロメトリーによっても測定されている.他の補体成分も同様の方法によって測定することができる.
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