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価値観大逆転時代を見通す—「INSのことがわかる本」 —前野 和久 著 INS社会の読み方—前野 和久 著
藤野 雅弘
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1NTT名古屋中央健康管理所検査科
pp.428
発行日 1985年5月1日
Published Date 1985/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203337
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VAN(付加価値通信網),双方向CATV(有線テレビ),キャプテンシステム(ビデオテックス),通信衛星など,INSやニューメディア関連の記事や報道がない日はない,というぐらい,今や世の中"INS狂時代"の到来に沸き返っています.この二冊の本は,そんな来たるべきINS社会を,産業構造の変化や社会生活のありかたは言うに及ばず,人々の意識,価値観に至るまで,多角的に"INS時代"を見通しています.
ところで,INSという言葉はよく耳にするが,その内容までは,という人がけっこう多いようです.そこで,少し簡単な紹介をしておきます.INSとは,電電公社(NTT)が作った和製英語Information Network Systemの頭文字をとったもので,日本語訳としては,「高度情報通信システム」といいます.具体的には,現在,電話などで使っている銅製ケーブルを高速で広帯域の伝送が可能な光ファイバーケーブルに取り替え,ディジタル伝送方式に切り換えて,現在別々になっている電話,データ通信,ファクシミリなどの回線網を統合化し,文字や画像なども伝送(やりとり)できる一大電気通信網を建設する計画です.つまり,今の「話し」「聞く」という電話から,「書き」「読み」かつ「見られる」ような脱電話社会の実現をめざしています.NTTでは,西暦2000年を完成の目標と掲げていますから,あと15年もすれば,INS時代は幕あけします.
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