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I.はじめに
大脳皮質視覚中枢は後頭葉にある。視覚中枢は視覚野と視覚前野に分かれ,視覚情報は視覚野で処理された後,視覚前野に送られる。視覚中枢の細胞は一般に,視野の限られた部分に呈示された視覚刺激に対して反応するが,この部分を受容野と呼ぶ。視覚中枢細胞は受容野に呈示されたすべての刺激に反応するのではなく,ある特定の刺激にだけ反応する。
このような性質は反応選択性と呼ばれる。反応選択性は神経細胞が図形を識別する働きの基礎となる重要な特性である。図形を認知するためには,鋳型が必要である。たとえば丸の認知のためには,丸に対する鋳型が脳の中にあり,図形が示されるとそれを鋳型と照合し,当てはまるものがあればそれを丸であると判断する。視覚中枢には数10億の神経細胞があるが,その一つ一つが異なった反応選択性を備え,図形の特徴をとらえるための鋳型として働いていると考えられる。したがって反応選択性を調べることにより,視覚中枢の働きを明らかにすることができる。
Prestriate visual areas in monkeys and cats are composed of more than ten visual cortical areas each of which contains cells with selectivities for certain aspects of visual stimuli. One of the best studied cortical areas is V4 containing a number of cells which exhibit the response selectivity with color constancy. Another area is monkey MT and MST, and cat Clare-Bishop cortex containing cells with very special selectivity for various aspect of motion sense. The response selectivities of these prestriate neurons bear very close parallelism with the processes of visual perception revealed by vision psycho-physics.
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