グラフ
院内巡視—INSPECTION
pp.9-14
発行日 1962年8月1日
Published Date 1962/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201955
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院長は,事務長・看護婦長・営繕課長・院内整備課主任(ハウスキーパー)のほか,看護短大主事を加えてチームを編成し,毎週火曜日の午前中約3時間,雨の日も風の日も中止することなく万障繰り合わせて院内をくまなく巡視する。診療部門,診療補助部門,事務部門から汽缶,洗濯,給食,裁縫などの現業部門の活動状況を視て,そこの担当者と直接話をする。仕事の話のほかに,特に現業部門では個人的な話もでれば家庭の話もでることがある。視たり,聴いたりするうちに,仕事が順調に運んでいるかとうかもわかり,職場の希望なども理解できる。毎日一つの職場を守って働いている人々の言葉には傾聴すべき点が多い。反面,狭い範囲の仕事に専念するから時に視野の狭い偏った意見も出るが,これを善導するのが管理者の仕事でもある。設備の増改廃についての請求もあれば,小さな創意工夫の提案もある。人員についての苦情もある。話の内容はまちまちであるが,即決できるものは即決する。宿題として解決をのばす問題もある。
日常ほとんど接する機会のない現業のおじさん,おばさんらと個人的接触ができて,彼らの家庭問題の悩みの親切な相談相手となることもある。その他デット・ストック,過剰在庫品,不用設備などを発見する時もある。
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