コンタクトレンズ(59)
出版という仕事
長谷川 泉
pp.41
発行日 1965年7月10日
Published Date 1965/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662203431
- 有料閲覧
- 文献概要
過日椿山荘で開かれた全出版人大会で医学書院からも長年勤続者として3名の表彰者が出た.私もその中に加えられて出席し,表彰状や記念品を受けた.当日は多年出版界に活躍して来た長寿者の御祝いの催しもあり,若い者を瞠若たらしめるような元気な演説をする者もあらわれ,無から有を生み出す創造的な仕事に従事している者の脳細胞は年齢の割には老化しないものであることを痛感させられた.
出版の仕事は一国の文化の興隆衰退に関与するような重要な事業であるが,華かな著者の声名にくらべるならば,椽の下の力持ち的な性格が強い.岩波書店主岩波茂雄が文化勲章を授けられたことなどは,従来の常識からするならば破格のことであったろう.
Copyright © 1965, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.