技術講座 生化学
―ホルモンの測定シリーズ・4 甲状腺・副甲状腺系:2―サイロキシン(T4),トリヨードサイロニン(T3),サイロキシン結合グロブリン(TBG)
内村 英正
1
1医療法人財団鎮目記念会鎮目記念クリニック・内分泌部
pp.627-632
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102479
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新しい知見
甲状腺ホルモンの生成材料としてヨードは必須である.外界から食物として体内に取り入れられたヨードは,血中に入り甲状腺に取り込まれる(iodine uptake).このとき,ヨードは血中から甲状腺の濾胞細胞に電気化学的抵抗に抗して能動的(active transport)に取り込まれる.この機構の詳細は長らく不明であったが,この数年で明らかとなってきた.そこにはsodium-iodide sympoter(NIS)と呼ばれるナトリウム依存性の蛋白が関係しており,その分子構造や遺伝子解析も行われた.一方,濾胞細胞から濾胞へのヨードの移動にはペンドリン(pendrin)という蛋白が重要な働きをしていることも明らかになっている.
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