特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
内分泌学的検査
甲状腺・副甲状腺
Tg(サイログロブリン),TBG(サイロキシン結合グロブリン)
家入 蒼生夫
1
1獨協医科大学臨床検査医学
pp.326-328
発行日 2005年11月30日
Published Date 2005/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402101817
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Tg(thyroglobulin)
サイログロブリン(Tg)は分子量約33万のモノマー2個からなる巨大な蛋白質である.甲状腺細胞でのみ合成され,Tg分子の立体構造を用いてヨードのついたチロシン(ジヨードチロシンおよびモノヨードチロシン)のカップリング反応により甲状腺ホルモン〔サイロキシン(T4)およびトリヨードサイロニン(T3)〕が生成する.Tgは健常者でも血中へわずか分泌されているが,現在のイムノアッセイでは測定下限域の濃度(<10.0ng/ml)を示す.ただし,臨床検査としての基準範囲は<30.0ng/mlとしている施設が多い.
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
1. 甲状腺刺激物質(TRAb, hCGなど)による刺激
Basedow病では甲状腺刺激性のTSH受容体抗体〔サイロトロピン受容体抗体(TRAb)あるいは甲状腺刺激抗体(TSAb)〕の刺激によりほとんどの例で高値を示す.妊娠に関連して血中hCGが著明な高値を示す場合も血中Tgが高値を示す.
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