技術講座 生理
―臨床生理検査シリーズ・10―超音波検査―臨床編(循環器)
加賀 早苗
1
,
野塚 久夫
2
1北海道大学病院検査・輸血部
2北海道大学大学院保健科学研究院
pp.619-626
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102478
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新しい知見
壁運動評価は客観的定量化の方向へと進んでいる.近年開発されたスペックルトラッキング(speckle tracking)法は,心エコー画像の輝度パターンを時間的に近接するフレーム間で比較し,組織の動きを自動的に追跡するものである.心筋内の多数の部位で,その動きを追跡することにより,心筋の伸び縮みの程度を表すストレイン,心筋の伸び縮みの速度を表すストレインレートなどを,従来のドプラ法の欠点であった角度依存性の問題なしに計測することができ,その有用性が示されてきている.最近では,3次元スペックルトラッキング機能を搭載した超音波診断装置も登場し,心臓全体としての機能や局所心筋機能についての新たな知見が得られるものと期待される.
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