増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
1. 微生物検査
5)遺伝子検査
(4)分子疫学的解析
田中 孝志
1
,
川上 小夜子
1
,
斧 康雄
1
,
宮澤 幸久
1
1帝京大学医学部附属病院中央検査部
pp.1226-1229
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100272
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はじめに
感染症領域における遺伝子型別(分子疫学的解析)は,主に食中毒や結核の集団発生時,病院感染発生時などに,原因微生物の特定や感染経路を調査するための疫学的解析に用いられている.このため,患者の初期治療に役立つ検査というより,むしろ後追いの検査であるため,必ずしも一線病院であっても院内で必須の検査項目ではなく,コスト面の問題はあるが,外注でも問題のない項目と思われる.しかし,日常診療において院内感染対策上,分子疫学的解析を必要とする場合がある.
本稿では,最も分子疫学的解析に利用されているパルスフィールドゲル電気泳動法(pulse field gel electrophoresis,PFGE)と,最近使用され始めたrandomly amplified polymorphic DNA analysis(RAPD)法を中心に述べる.
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