増刊号 一線診療のための臨床検査
第II章 各論―検査編
1. 微生物検査
3)培養検査
(2)同定検査
川上 小夜子
1
,
斧 康雄
2
,
宮澤 幸久
1,3
1帝京大学医学部附属病院中央検査部
2帝京大学医学部附属病院微生物学講座
3帝京大学医学部附属病院臨床病理学講座
pp.1193-1196
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100262
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
はじめに
従来の同定検査は,臨床医から「培養・同定」の検査依頼がある検体では,臨床症状や検体の質に関係なく複数の培地に分離培養され,発育した2~3菌種について同定検査が実施されているのが実状である.従来の診療保険制度が出来高払いであったことと,検査は医師の指示どおりに実施することが必要であるという概念に基づいて実施されている方法であるが,これらは感染症検査における多くの矛盾と問題とを抱えている.すなわち感染症の起炎性のない菌種に多くの同定費用と時間とを浪費し,臨床的には同定結果が役立っていない場合が多いことを意味する.
本稿では,診療に役立ち,経済性を考慮した同定検査とはどのような方法であるのかを概説する.
Copyright © 2005, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.