増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学
II 微生物検査
総論
5 薬剤の影響
2 去痰薬
川上 小夜子
1
,
斧 康雄
2
,
宮澤 幸久
1
1帝京大学医学部附属病院中央検査部
2帝京大学医学部微生物学講座
pp.927-930
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102555
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はじめに
喀痰のグラム(Gram)染色標本から下気道感染を判断するためには,試料中の白血球数,白血球の種類,白血球の鮮度,粘液(フィブリン)析出の度合い,はく離した気管や肺胞細胞の種類などを読み取る1).市中肺炎患者においては,これらの感染情報を的確に読み取ることが可能であるが,抗菌薬,抗炎症薬,去痰薬などが開始された後の標本では,変化が生じ解析時に注意を必要とする.本稿では去痰薬の使用が塗抹所見へ及ぼす影響について述べる.
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