特集 医療・福祉施設における感染制御と臨床検査
各論
3.感染制御に必要な微生物検査の知識とポイント
1) グラム染色
川上 小夜子
1
,
斧 康雄
2
,
宮澤 幸久
1,3
Sayoko KAWAKAMI
1
,
Yasuo ONO
2
,
Yukihisa MIYAZAWA
1,3
1帝京大学医学部附属病院中央検査部
2帝京大学医学部附属病院微生物学講座
3帝京大学医学部附属病院臨床病理学講座
キーワード:
グラム染色
,
塗抹鏡検
,
迅速診断
Keyword:
グラム染色
,
塗抹鏡検
,
迅速診断
pp.1449-1453
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102142
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はじめに
Gram(グラム)染色は,デンマークの内科医Hans Christian Joachim Gramによって1884年に考案された細菌の染色法で,染色性と形態からおおまかな菌種の推定が可能である.近年では,ガイドラインなどで病巣の塗抹検査を重視する記載が増えたことや,診療報酬の改訂が追い風となって,感染症治療における抗菌薬の適正使用を行うための迅速診断法としての有用性が認識されている.
本稿では,グラム染色法のコツと,感染制御に役立つ塗抹鏡検法について概説する.
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