連載 連載対談・1
血液凝固異常についての対話<その1>—凝固因子と凝固機転
安部 英
1
,
天木 一太
2
1東大医学部吉利内科
2日大医学部萩原内科
pp.252-256
発行日 1968年4月15日
Published Date 1968/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916691
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
天木血液凝固の問題は非常にむずかしいように思われています。血液病の診療をしている人や血液検査をしている人でも,凝固の専門家でないと,『私は凝固のことはわからないから』ということで,なるべくならあまり関係したくないというようなことになりがちです。
かつて加藤勝治先生が,専門家でない人にとっては,凝固はギリシャ語のようにむずかしい,といわれたことがあります。ギリシャ語はいろんな字が並んでいても,何が書いてあるのか全くわからないのですが,凝固も何かいろいろな検査がしてあっても,その意味はちっともわからないというふうに思われがちです。しかし現在のように凝固の知識が進んできて,それが各科の領域に関係してきますと,血液をやっている人はもちろん,血液をやっている人でなくても,『私は凝固のことはわからなくってね』といっては,済まされない時代になってきたと思います。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.