講座 臨床生理学講座Ⅵ
脳波<6>—正常脳波と異常脳波
吉井 信夫
1,2
1慶大医学部脳神経外科
2中検脳波教室
pp.257-264
発行日 1968年4月15日
Published Date 1968/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916692
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記録している脳波が正常なものであるか,異常であるかを知ることは大変重要である。と云うのは異常らしい諺が出てきたときには,それが本当に異常波なのか,患者の状態の変化(例えば,睡眠などによる意識の変化)によるものなのか,雑音のためかを見分けなければならないからである。そのために正常な脳波がどんなものであるか,それが患者の状態の変化によってどの様に変わるかの知識がなければ良い脳波記録を得ることはできない。また異常があったら,それが限局性(脳の一部)のものか全般性のものであるかを区別し,限局性のものであれば異常波の出現する範囲を決めるだけの努力を払う必要がある。
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