特集 出血傾向のLaboratory Diagnosis
Ⅱ.出血傾向を訴えてきたとき
附 出血傾向を呈さない凝固因子異常
神谷 忠
1
1名古屋大学第1内科
pp.1275-1281
発行日 1980年11月1日
Published Date 1980/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915619
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先天性血液凝固因子欠乏症は血友病で代表されるように,その多くは重篤な出血傾向を伴うことが多い.しかし,止血検査で明らかな異常が認められ,しかもある特定の凝固因子活性が低下または欠如していながら,臨床的な出血症状を全く呈さない凝固障害症(因子欠乏症または異常症)も存在する.
その典型的な例は先天性第XII因子欠乏症(Hageman trait)であり,その他では最近,新しく発見された二つの凝固因子欠乏症,すなわち,Fletcher因子,Fitzgerald因子欠乏症と異常フィブリノゲン血症である.
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