Practical Postgraduate Seminar・12
凝固障害による出血傾向
大城 孟
1
,
村上 文夫
1
1大阪大学医学部第2外科
pp.542-550
発行日 1978年4月20日
Published Date 1978/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206933
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はじめに
一般に手術が安全に行なわれるためには少なくとも次のような前提が満足されなければならない.すなわち患者は麻酔薬に対しアレルギー反応を示さないこと,損傷部の毛細血管出血は自然に止血すること,手術創は容易に治癒し閉鎖することである.ところで多くの患者はこうした前提をおおむね満足しているために,われわれ外科医は平素たいした問題にも直面せず安心して手術を施行しているが,ある種の患者ではこの前提が必ずしも満足されず大きなトラブルを引きおこす.この前提のうちわれわれ外科医が比較的経験するものは凝固障害に起因する毛細血管からの出血傾向である.
ここではとくにこの問題を取り上げ,われわれ外科医にとつて関連の深い疾患を中心に,凝固障害患者の鑑別および出血傾向発現の機序,その治療について述べる.
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