学会印象記 第27回電気泳動学会総会
日常検査の中から研究への手掛かり
松谷 牧子
1
1駿河台日大病院検査科
pp.179
発行日 1977年2月15日
Published Date 1977/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914270
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電気泳動学会は回を重ねるに従い,演題数の増加,講演内容の多彩化が目立っているが,第27回電気泳動学会総会は10月27〜29日の3日間,赤井貞彦総会長(新潟県立ガンセンター外科)のもとに新潟市の県民会館において開かれた.演題は特別講演として教育講演,児玉賞受賞講演がそれぞれ2題,シンポジウム7題および一般講演53題であり,量および質ともに充実した内容であった.
学会初日の教育講演では,菅野(すがの)浩先生(新潟大・理学部)の「電気泳動の発展と歴史」があり,チゼリウスの電気泳動から始って,最近の等速電気泳動まで,菅野先生自身の豊富な研究,経験に基づいた各種泳動法の解説をされ,学会発足当初のメンバーの諸先輩方には感慨深く,若い人たちには貴重な講演内容であった.次いで河合忠先生(自治医大・臨床病理)の教育講演「電気泳動法による血清蛋白分画の臨床的意義」では,セルロース・アセテート膜電気泳動法を中心に,タンパク分画の詳細な解析とその臨床的意義を明解に述べられ,電気泳動が病態解析のうえにいかに重要な手段であるかを強調された.
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