特集 神経内科
3.頭痛—鑑別を間違えやすい一次性頭痛と,見逃したくない二次性頭痛の手掛かりをつかむ
森松 暁史
1
Akeshi MORIMATSU
1
1太田熱海病院脳神経センター 神経内科
pp.33-47
発行日 2017年3月1日
Published Date 2017/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900021
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アガサ・クリスティーの『ABC殺人事件』1)という推理小説をご存知だろうか。この小説には,頭痛と頭痛後の一時的な意識障害に悩まされる主人公が登場し,真犯人によって犯人に仕立て上げられてしまう。おそらく,主人公のモデルは脳幹性前兆を有する片頭痛患者なのだろう。
このように,推理小説でも取り上げられるほど頭痛は,日常臨床でしばしば遭遇する訴えである。入院中の患者が頭痛を訴えることも少なくない。多くは一次性頭痛とよばれる機能性頭痛であり,基本的に生命の危険性はなく,後遺症も残さない。しかし,このような頭痛であっても,特に片頭痛や群発頭痛ではQOLへの影響が大きく,ホスピタリストは診断・治療に精通しておく必要がある。また,危険な器質性頭痛を見逃さないようにすることも重要である。
本稿では,いわゆる“common disease”としての頭痛へのアプローチ法とともに,危険な頭痛を見つけるためのポイントを概説する。
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