今月の主題 DNA診断に必要な測定技術
技術解説
FAPのDNA診断
中里 雅光
1
,
松尾 壽之
2
Masamitsu NAKAZATO
1
,
Hisayuki MATSUO
2
1宮崎医科大学医学部第三内科学教室
2宮崎医科大学医学部第二生化学教室
pp.386-390
発行日 1988年4月15日
Published Date 1988/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913618
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家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)は,1アミノ酸置換(バリン→メチオニン)をもつ異常トランスサイレチン(プレアルブミン)がアミロイド線維として全身臓器に沈着する遺伝性疾患である.このアミノ酸置換は,トランスサイレチン遺伝子上の1塩基置換(グアニン→アデニン)に起因している.この塩基置換により制限酵素Nsi I, Bal Iに対する新しい切断部位が生じる.Southern blot法を用いて,この変異トランスサイレチン遺伝子を検出することができ,FAPのDNA診断が可能になった.本稿では,FAPの成因を蛋白化学,分子生物学的知見をもとに述べ,DNA診断法の解説を行う.
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