今月の臨床 外来でみる感染症
診断法の進歩
13.DNA診断法—VIRA PAP HPVキット
岩崎 秀昭
1
,
稲葉 憲之
1
,
深沢 一雄
1
,
高見沢 裕吉
1
Hideaki Iwasaki
1
1千葉大学医学部産婦人科
pp.930-932
発行日 1991年8月10日
Published Date 1991/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409900514
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1961年にハイブリダイゼーション法という技術が開発され,その後これを利用した研究が幅広く行われている。特定の遺伝子DNAの断片をプローブとして用いる診断が感染症の領域に導入され臨床微生物学に応用されている。DNAプローブ法は遺伝子を直接検出するので,従来の診断法に比し極めて短時間かつ正確に結果が得られる利点がある。近年,産婦人科領域にもDNAプローブを用いての研究が,とくに感染症領域におけるヒトパピローマウイルス(HPV)を主体にサイトメガロウイルス,B型肝炎ウイルス,クラミジア,淋菌の診断に,また羊水による胎児の遺伝子異常の診断にもみられるようになっている。
産婦人科領域のDNA診断は,出生前診断を中心とした産科領域と,ウイルスとくにHPV検出を目的とした婦人科領域がある。
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