Japanese
English
研究
胆石構成成分の検討—胆石の中心性空隙にみられたパルミチン酸カルシウム結晶体
An Analysis Study of Gallstone Components:Calcium palmitate crystals in the central gaps of gallstone
鈴木 悦
1
,
山森 俊治
2
,
岡田 高治
2
,
金井 晃
2
,
小野 悌二
2
,
小形 岳三郎
3
Etsu SUZUKI
1
,
Shunji YAMAMORI
2
,
Takaji OKADA
2
,
Akira KANAI
2
,
Teiji ONO
2
,
Takesaburo OGATA
3
1筑波大学病院検査部病理部門
2三菱油化メディカルサイエンス
3筑波大学基礎医学系病理
1Department of Pathology, Univ. Hospital, The Univ. of Tsukuba
2Mitsubishi-Yuka Laboratory of Medical Science
3Institute of Basic Medical Science, Dept. of Pathology, The Univ. of Tsukuba
pp.565-568
発行日 1981年5月15日
Published Date 1981/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911239
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はじめに
胆石の分類,分析は古くから数多くの人によって行われてきたが,基本的にはコレステロール系石とビリルビン系石,及び稀石に分けることができる.これらの胆石は種類によって構造が異なり,放射状,放射層状,層状,無構造などに分類されている.
近年この構造は走査電子顕微鏡でも確認され,その結晶構造が明らかになりつつある.また赤外線スヘクトロメーター,ガスクロマトグラ7イーなどによる分析によって,胆石を形成する種々の結晶の組織が明らかになりつつある1).一般に最も多いコレステロール系石は,平行四辺形の扁平なコレステロールの結晶体が主体であり1),ビリルビン系石には顆粒状構造1),脂肪酸石の葉状結晶1)などが確認・報告されている.我々は今回コレステロール色素石灰石を検査するに,その中心部空隙面上に今まで報告のないカーネーション様花片球状結晶体を認めたので,走査電子顕微鏡による結晶の構築像,赤外線スヘクトロメーターとガスクロマトグラフィーによる成分分析を行ったので報告する.
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