Japanese
English
臨床研究
手術成績からみた肝内胆石症の検討
Study on the intrahepatic gallstone observed from the surgical treatment
木南 義男
1
,
新村 康二
2
,
泉 良平
2
,
藤田 秀春
2
,
永川 宅和
2
,
広野 禎介
2
,
宮崎 逸夫
2
Yoshio KINAMI
1
1金沢大学がん研究所付属病院外科
2金沢大学医学部第2外科
pp.919-924
発行日 1976年7月20日
Published Date 1976/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206549
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はじめに
肝内胆石症は胆石症のうちでも最も難治性であるとされ,多くの問題点を含んでいる.本邦における本症の発生頻度は,全胆石症に対し,手術例において2.5〜30%1-4)といわれ,地域差もみられるという.その成因としては,胆汁流通障害とそれに伴う細菌感染などが重要とされるが,肝内胆管の性状や発生年齢から先天性要因2,4-6)も考慮されている.また本症の病態を知るため型分類2,4,7)が試みられているが,報告者により分類方法が異なり,いまだ一定の見解はみられない.このようなことは本症が如何に取扱いにくく,治療しにくいかを示すものである.
ところで本症の手術成績1.4,8)は必ずしも良好とはいい難く,可成りの再手術例をみるのが現状である.手術術式においても基本的には胆石除去術に個々の症例に応じた各種の付加手術が行なわれているが,決定的なものはない.そこで肝内胆石症の今後の治療指針を見出すため自験例を手術成績の面より検討してみたところ,若干の知見を得たので報告する.
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