技術解説
白血球機能検査法遊走能
巽 典之
1,2
,
木村 雄二郎
3
,
前田 宏明
3
,
福岡 紘一
3
,
福田 ヒロ子
4
1阪市大・臨床血液科
2大阪府立成人病センター血液内科
3阪市大臨床検査部,臨床血液科
4大阪府立成人病センター
pp.471-480
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909361
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白血球がその機能を発揮するのは流血中ではなく,血管外である.造血臓器内の白血球が流血中に動員され,炎症巣に移動し,異物を貧食するまでの一連の白血球の動きを調節するのは白血球内のアクチン・ミオノンから成る収縮タンパク系によるのは周知の事実である1).白血球機能を知る検査法は種々報告されているが,残念ながら分子レベルでの検査法は最近始められたばかりで一般的でない。細胞レベルの検査法は細胞機能の総和の結果を示す意味からも基木的検査法であるといえよう.著者らは遊走能,粘着能,貧食能,殺菌能,そして細胞内物質の測定なとを検査目的にかなった方法を選択し,検査を行って,この結果より病型診断,病期の判定に利用している.今回は諸種の白血球機能検査法のうら,遊走能に関する二,三の一般的な検査術式について述べる.
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