技術解説
割断法による走査電顕試料作製法
田中 敬一
1
1鳥取大・第2解剖学
pp.481-488
発行日 1976年5月15日
Published Date 1976/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909362
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走査電子顕微鏡はその性能上,細胞・組織の表面を観察するのに威力を発揮する.しかし表面だけの観察ではやがていぎ詰まってしまうので,最近組織細胞を割断し,内部を見ようとする試みが多くなってきた.そしてその方法も,二,三年前までは,樹脂冷凍割断法1),クライオフラクチャー法ぐらいなものであったが,今では,アルコール割断法2,3),スチレン割断法4),DMSOを用いる法5)などいろいろな方法が発明されている.
これらの方法を,割断に必要とする温度で分類すると,①−30℃ぐらいの温度(冷凍箱)を用いるもの—樹脂冷凍割断法,②窒素温度を用いるもの—アルコール割断など,③室温で行うもの—スチレン割断法,の3種である.
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