研究
妊婦,褥婦,新生児における総Hb量とHbF量
正野 昭信
1
,
石塚 英子
1
,
松田 信子
2
,
羽山 忠良
3
1青山病院中検
2東急病院中検
3青山病院病理
pp.64-67
発行日 1976年1月15日
Published Date 1976/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909246
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はじめに
胎児血色素(HbF)は,1886年にKoerberによって発見されたもので,成人血色素(HbA)と異なり,アルカリに対してHbAよりも強い抵抗性をもち,容易に変性せず,また酸に対しても強い抵抗性を有している.
HbFは妊娠7週目の胎児に既に存在しており,妊娠34週目に最も多くなるといわれ,肝臓造血を反映する.一方HbAは,その後造血の場所が肝臓から骨髄に変わると,すなわち妊娠5か月ごろよりHbAが現れ,胎児の成熟につれてHbFはしだいに減少しHbAが増加してくる.
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