特集 妊婦・褥婦が一般外来に来たら─エマージェンシー&コモンプロブレム
【よくある外来プロブレムとその対応】
妊婦・褥婦の倦怠感・不眠
榎本 小弓
1
,
中野 朱美
1
,
森村 美奈
2
1大阪市立大学大学院医学研究科 女性診療科
2大阪市立大学医学部附属病院 総合診療センター
キーワード:
不眠症
,
器官形成前
,
漢方
,
非ベンゾジアゼピン系薬
,
催奇形性
Keyword:
不眠症
,
器官形成前
,
漢方
,
非ベンゾジアゼピン系薬
,
催奇形性
pp.39-44
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200439
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Case
患者:30代,女性.初診時は初回の自然妊娠6週目.
以前より,不眠と便秘,胃腸の機能障害に悩まされ,近医内科からベンゾジアゼピン系のフルニトラゼパムと六君子湯を投薬されていた.その後無月経となり,近医産婦人科を受診して子宮内に胎囊が確認され,「妊娠5週相当」と診断されたが,内服中のフルニトラゼパムの休薬に強く抵抗するため,当院での妊娠管理を依頼された.本人の訴えの傾聴から,無理な休薬をせずにフルニトラゼパムを非ベンゾジアゼピン系のゾルビテムに変更し,さらに精神科コンサルトを行った.その結果ゾルビデムを継続することにした.しばらくの間不眠は軽快し,精神状態も安定した状態で妊娠経過も良好であった.しかし,妊娠中期以降に循環血漿量の増加に伴い不眠が再燃,重症化し,フルニトラゼパムに戻した.以後,安定した精神状態で分娩までもちこたえた.
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