連載 検査値の読み方
HBV ジェノタイプ測定とHBs 抗原量測定の意義
近藤 泰輝
1
,
福田 遼
1
1仙台厚生病院消化器センター肝臓内科、同 肝腫瘍治療センター
キーワード:
HBsAg
,
ETV
,
TDF
,
TAF
Keyword:
HBsAg
,
ETV
,
TDF
,
TAF
pp.1637-1640
発行日 2017年10月20日
Published Date 2017/10/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000154
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
本邦において,B 型肝炎ウイルス(HBV)持続感染患者は1%以上いることが報告されている.現在,C 型肝炎に対しての治療はdirectacting antiviral の登場により飛躍的に進歩しているが,HBV を完全に排除することは難しい状況である.慢性B 型肝炎(CH‒B)に対してはエンテカビル(ETV)やテノホビル(TDF)が使用可能であり,2017 年からは副作用のより少ないテノホビルのプロドラッグであるテノホビルアラフェナミドフマル酸塩(TAF)も使用可能となった.しかしながら,これらの薬剤はHBVの複製過程における逆転写を阻害するのみであるため,肝細胞核内におけるcccDNA の排除は難しく,その結果,HBs 抗原の産生をブロックすることはできない.したがって,今後の創薬の目標の一つにcccDNA の減少,HBs 抗原を減少させることが挙げられている.
Copyright © 2017, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.