論壇
臨床病理に対する考え
坪倉 篤雄
1
1広島大中検部
pp.636-637
発行日 1974年6月15日
Published Date 1974/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908568
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医学がそうであるように,その一部門の臨床病,理も細分化して,おのおの専門化した分野においてさらに高度な突込みがなされて発展してきたし,発展しつつある.その結果として専門の分野だけしかカバーできない,いわゆる視野の狭い臨床病理医や臨床検査技師ができあがりつつある.
ややもすれば我田引水になって特定の臨床検査の価値を過大評価しすぎるきらいがないでもない.そこでわれわれ臨床病理に携わる者は,名古屋における第17回医学会総会のテーマであった"分化と統合"ということを常に念頭におかなくてはならないと思う.すなわち,生理学的検査と生化学的および血清学的検査との相関・対応はもちろんであるが,さらにこれらの検査値と病理形態的変化または細菌学的血清学的変化が相関対応として理解されることが望ましい.
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