特集 細胞診―21世紀への展望
第2章 検診・外来診療における細胞診の役割
6.呼吸器外来診療
河手 典彦
1
,
大平 達夫
1
,
小中 千守
1
,
加藤 治文
1
Norihiko KAWATE
1
,
Tatsuo OHIRA
1
,
Chimori KONAKA
1
,
Harubumi KATO
1
1東京医科大学外科学第1講座
pp.1232-1239
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904540
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はじめに
今世紀,細胞診は臨床各科における多くの疾病の診断に幅広く貢献してきたが,われわれの携わる呼吸器疾患,特に肺癌を主とする悪性疾患の診断においても,その迅速性,簡便性などの利点を十分に活かして,日常診療に不可欠の手段となっている.
呼吸器外来業務では,患者の確定診断を正確にしかも早く獲得することが重要であり,その結果に従って治療の必要性の有無,治療法の選択および治療を要する場合の入院の要否の判断などが決定されている.これらの意味において診療過程における細胞診の占める役割は極めて大きく,具体的には連日のように施行されている喀痰細胞診,気管支鏡下細胞診,経皮的針穿刺細胞診などの検査結果がその被験者の治療方針の決定に直結していると言える.
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