今月の主題 レーザーと臨床検査
技術解説
レーザー内視鏡
早田 義博
1
,
加藤 治文
1
,
小野 寿太郎
1
,
大多和 正樹
1
Yoshihiro HAYATA
1
,
Harubumi KATO
1
,
Jutaro ONO
1
,
Masaki OTAWA
1
1東京医科大学外科学教室
pp.965-972
発行日 1983年9月15日
Published Date 1983/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911963
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現在癌の治療に用いられているレーザーとしては,CO2レーザー,Nd-YAGレーザー,アルゴンレーザー,アルゴン—ダイレーザーがある.前三者は高出力による熱エネルギー照射で腫瘍を焼灼昇華せしめる.後者のアルゴン—ダイレーザーはこのもののみでは殺細胞効果はないが,腫瘍親和性光化学物質の特性を利用して,腫瘍を壊死に陥らしめる光照射である.
熱エネルギー照射としてCO2レーザーは波長が短いこと,熱反応の深達度が浅いことからNd-YAGレーザーより優れているが,この光線はクウォーツファイバーに吸収されるため可橈性のあるクウォーツファイバーで誘導できない欠点があるので可橈性のある内視鏡には応用できず,肉眼で可視範囲の腫瘍が対象となる.したがって,内視鏡的に応用しうるレーザーはNd-YAGレーザーとアルゴンレーザー,アルゴン—ダィレーザーである.この中でアルゴンレーザーは出力の点よりして腫瘍の治療よりも止血および皮膚科疾患の治療に応用される.われわれは気管,気管支の病変に対してNd-YAGレーザー治療を,肺癌その他の癌にアルゴン—ダイレーザーによる光照射を行っているが,前者は良性の病変にも焼灼は可能であるが,後者は悪性病変のみが対象となる.
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