特集 施設別/新・悪性腫瘍治療のプロトコール
Ⅹ.肺癌治療のプロトコール
(3)東京医科大学第1外科
加藤 治文
1
,
高橋 秀暢
1
,
斎藤 誠
1
,
斎藤 雄二
1
,
平良 修
1
,
石井 正憲
1
Harubumi KATO
1
1東京医科大学第1外科
pp.277-283
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901702
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肺癌による死亡数は年々増加し,1994年6月には男性で遂に胃癌を抜き全癌死の第1位となったことがマスコミによって大きく報道された.当科においても,新たに肺癌と診断される患者教は年間200数十名と増加しつつあり,そのうち約半数が手術の対象となっている.肺癌の組織型のうち約80%を占める非小細胞肺癌は,化学療法や放射線治療に対する感受性が一般的に低く,切除不能な場合にはその生存中央値は約10か月,2生率で約10%と決定してしまい,長期生存は望めないのが現状である2).したがって,非小細胞肺癌に対しては,可能な限り手術を中心とした集学的治療法が行えるように配慮している,一方,小細胞肺癌は早期に遠隔転移をきたすため全身病と認識される.しかし,化学療法や放射線治療に感受性が高く,治療の中心は化学療法であるが,限られた症例では手術もその補助的な治療方法の一手段となり得ると考えている.本稿では,当科における手術を中心とした非小細胞肺癌治療のストラテジーについて述べる.
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